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ギターってのはね

8月くらいだったかな?
急にリゾネーターのギターが欲しくなってしまった。

ハロルドの音楽から言っても、僕のスタイルから言っても
ほぼ必要のないギターである。

もうすぐ12月のこの日、とうとうネットで探し当てていた
DobroのC-3というモデルのギターを実際に見に行った。

ここ最近、なにかと用事があって大阪に行く機会が多かった。
その度にこのギターの近くを通る事になった。

でもこれまで実際に見に行く事なかったのに。
昨日は不思議と夜勤のバイトが終わってから
一睡もせずに大阪に何の用もないのに向かったのだった。

誰かに取られちゃまずい。
必要ないけどね。

目当ての店は谷町駅からあるいて5分もかからないところにあった。

携帯の地図をたどってその場所に行ってみるとみるからにただのマンションにしか
見えないところでどこにもギターショップなんかないように見えた。

どこ?
そう思った時に幅1mも無いくらいの暗くて細い路地へ誘う看板が目に付く。

”ギターショップ WEAVERはこちら”

マジで?
恐る恐るその先へ。

何かの事務所にしか見えないその扉をあけると
ぎゅうぎゅうに並べられたビンテージのアコギとおじさんが
一人ポツンと座っていた。

「いらっしゃいませ」
の一言すらかけてもらえなかった。

「あの・・
僕、ネットで見てドブロのギター弾きたくて来たんですけど・・・」

「あ、僕店員さんじゃないんですよね」

僕が最初に声をかけた人はその日Ovationのギターを買い求めたお客さんだった。

「大将!お客さんですよ!」

「いらっしゃい。」
と奥から喉の奥の方からくぐもった声を放ちながら
マスターが現れた。

「あの・・
僕、ネットで見てドブロのギター弾きたくて来たんですけど・・・」

もう一度、今度は本物にそう告げると

「あ〜・・これね・・・
えー・・・弾いてみますか・・?」

うん。そのために寝る間も惜しんで、異様な雰囲気にも耐えてここに来たのだ。

異様な雰囲気を醸し出すマスターがそのギターを抜き取り
入念にチューニングをしてくれた。

長い間誰にも触れられずにいたのだろう。
ホコリがたくさん積もっていたし、弦は錆びきっていた。

ホコリを落として、弦を交換してもらった。
見違えた。この50歳のギターはまだまだやれそうだ。

いざ手に取ってみるとその小ささに驚いた。
鳴らすとオモチャみたいな音がした。

「いい音ですね〜」と先客。
「今まで面白いねってみんな見て行くんですけど誰も弾いてくれなかったんですよ。」とマスター。

リゾネーターといえばやはりブルースだ。
しかし僕にはほとんどブルースの経験はない。

そこで先ほどのお客さんにブルースを弾いてもらった。

カッコ良かった。いつかこんな風に鳴らしてみたい。

商談といった商談はほぼ無かった。
すぐにコンビニのATMにいってありったけのお金をおろして来た。

「ありがとうございます。」
「いえいえこちらこそ。」

マスター、笑えるんじゃん。
密かにそう思った。

そのとき先客はもう帰っていて、店ももう閉店の時間だった。

さてさて、そろそろ帰ろうかな。
そう思っていたときにマスターがギターの話をしてくれた。
きっかけは「今の現行のモデルが遠い未来にビンテージとしてこんな風に売られていくんでしょうかね?」と僕が質問したことに始まる。

「どうでしょうね?木のギターってのがなくなってるかもしれませんよ?」

どういうことだ?木のギターがなくなる?

 

マスター曰く、ギターに使う木材はいろんなものがもう伐採禁止になってしまっているらしい。それできっとギターはもう作れないだろうと言うのだった。

「しかもね、木の中心は使えないし、外側も使えない。その真ん中の良いところだけをギターでは使うんです。そのためには大きな木が必要なんです。多分樹齢100年とか200年とかの大きな木をね。」

知らなかった。

「ギターってのはね、高いのも安いのもある。みんな高いギターを欲しがるもんです。」

でもどんなギターにもその裏には一生では体験出来ないほど長い時間の歴史があるんだ。

「一昔前には100万もするような恐ろしく高いギターが飛ぶように売れました。そしてある程度持ったらそれを売って、また新しいギターを買う人がたくさんいました。」
少し寂しげに言うマスターが印象的だった。

「ここに僕の名刺を入れておきます。何かあったらいつでも連絡下さい。」

 

僕の手元には今このギターを入れて5本のギターがある。
もうずっと弾いてないのもある。

その夜、楽器屋に寄って弦をたくさん買った。

たまにはアイツも弾いてやるか。

これも何かの縁なのだ。早速このギターが教えてくれたのだった。

これからもどうぞよろしく。
一緒に良い人生を生きようじゃないの。

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Vo/Gu 橋本拓馬


Listen

  • “いつかのみなとにながれつく”
    [ 旅人のチューン]|Official Music Video

    Director/Camera  Kai Oe
    Production Manager  Takashi Tsujii /Ayako Tomita

    Producer Mamoru Inagaki

    Special Thanks Yoshiyuki Iida/Keisuke Takaso

    ハロルド
    Gt./Vo .Takuma Hashimoto

    Gt.Gen Makino

    Ba. Yuki Naruse

    Dr.Keisuke Minoura

     

  • harold 1st mini album “Welcome to the Lake side forest city”
    [ Grapefruit ]|Official Music Video

    Director&Edit / 磯部鉄平
    https://twitter.com/isobeteppei

    Director of Photography / 山口理沙
    http://gunjou-film.com/

    Cast / カレン
    https://twitter.com/karendesu2

    ハロルド
    Vocal&Guitar / 橋本 拓馬
    Bass / 鳴瀬 裕輝
    Drums / 箕浦 圭佑
    Guitar / 永田 誠
    http://harold-room.com/
    https://www.facebook.com/harold.kobe
    https://twitter.com/harold_kobe

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